百日紅 浪 宏友 |
![]() 胸騒ぎがするのだ 約束の日には間に合う だが すでに遅れてしまったような 激しい焦りが足を急がせるのだ
あの日
沼から
若者は急いだ
かたわらに |
元日 中原道代 |
月のはじめの日は おついたちと言って大切な日 泣いたり怒ったりしてはいけないよ 小さい頃 よく 母が言っていた そのことばがいつも私の中で生きている
今日は 年のはじめの元日 |
皆友達 伊藤一路 |
子供の頃父によく言われた事 「漢字を覚える暇があるなら友達を作りなさい」 「とにかく友達を大切にしなさい」 お陰様で今でも友達は多い 友達は肥やしでお互いが肥やし 無くても育つだろうけどヒョロヒョロかも こんなに長く付き合っていられるのは 皆一人の人間として尊敬しているから それぞれの得意と特徴を生かして皆生きている 比べるものでもないし勝ち負けでもない
子供に対しても接し方は同じ
友達として平等に全ての人と接したら |
あいつとおれ(遠い階層) 大場 惑 |
おれは 汚れた男だった あいつは 汚れた女だった アメリカ兵がうろうろする汚れた町で ゴキブリみたいに生きていた 踏み潰されるのを待っているような毎日だった
おれは ゴミみたいなチンピラだった
足を洗いたくなった
あれから世の中もすっかり変わった |
|