![]() | |
四季の思い(冬に) 佐藤恭子 |
冬の日に朝顔のつる枯れ残る庭か空地か古里の夢
白い冬人の心の醜さも白くかくせと雪が降る
外寒く早く早くとストーブに近づき過ぎてしもやけかゆい
初日の出昨日も今日も初日の出どこがちがうか今日の日の出は
ニコ中の彼に通じぬ禁煙の言葉の弱さくりかえす
菜の花の幼き心春の夢この花だけは摘まずにゆこう
|
新 年 山口ハル子 |
新しき年を迎えて又一つ重ねし年にわびしさ思う
年賀状さすが今年は夫宛てのもの一枚もなしとわびしき
今年まで今年までかと老いし我秋の一日に大根つける
一枚の母に求めしカーディガン形見となりて我を包みぬ
丸き月今夜の月はきれいだと我を呼ぶ夫の声のするごと
|