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詩誌「詩人散歩」(令和06年冬号)

yuyake
◆これまでの【エッセイ】を掲載しています。

  「生命体地球」              大場 惑

それにしても、地球はすごい。何がすごいって、人間がいる。知的生命体人間。そんな奇跡の生命体が現存して活動している。
 この広い宇宙には、地球以外にも生命体が存在している、知的生命体も存在している、人間を超える知的生命体が存在している可能性も否定できない、などと言う人々もいるけれど、実際に生命体が存在し、知的生命体が存在していると確認できているのは、地球だけである。
 奇跡の惑星、地球。
 地球はひとつの生命体であると唱える人がいた。分厚い本を読んだ記憶があるが、内容は覚えていない。
 地球が生命体であるかどうかの議論は、生命体の定義から入らなければならないだろうから、私には荷が重すぎる。
 漫画チックに、地球をひとつの生命体とみなすという考え方なら、多少、勝手なことを言ってもお許しいただけるかもしれない。
 地球が生命体なら、ホメオスタシスがあるであろう。自らを健康な状態に保とうとする性質である。また、免疫があるであろう。自らに害をなすものがあれば、排除する性質である。
 地球の身になったとき、現在の人類はどんな存在なのだろう。地球の健康をそこなってはいないか、地球に害をなしてはいないか。
 地球のホメオスタシスや免疫が、人類に対してどんな態度をとってくるか、あまり楽観はできないような気がするのだが。