◇私の住まいは長野県長野市である。自宅から二、三分も歩けば、裾花川に出る。私の散歩道は裾花川にかかるあやとり橋付近であるが、すぐ下流の丹波島橋付近で裾花川は犀川に合流する。もう少し下流の落合橋付近で、今度は犀川が千曲川に合流している。
◇あやとり橋の下に白い鳥が数羽遊んでいる。よく見ようと近づくと、一斉に飛び立って少し向こうに降りる。どうしてもある距離より近くに行くことはできない。のんびりと餌を取っているように見えて、なかなか用心深い。
◇ある日、ぼんやりと川を眺めていたら、かなり近くに白い鳥が降りてきた。私に気づかなかったのかそれとも近づいても大丈夫と思ったのか。
◇東京で育った私には、こんな風景が懐かしく感じられる。お近づきのしるしにシャッターを押したのが、表紙の白鷺である。
◇長野市といえども、東京に比べればまだまだ都会化していない。できることなら、このまま懐かしい風景がずっと残って欲しいものである。 （浪）

　　　　【本号投稿者】

中原　章予（宮崎県都城市山田町）
山口ハル子（宮崎県宮崎郡佐土原町）
山本　恵子（東京都新島村本村）
倉本トモ子（千葉県市原市）
大戸　恭子（東京都杉並区高円寺北）
中原　道代（長野県長野市中御所）

　　　　【奥　付】

詩誌『詩人散歩』平成十八年秋号
平成十八年九月一日発行（通算第七十号）
編集者・浪　宏友
発行者・菊地良輔
発行所・夕焼けクラブ
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