「作詞紹介」       浪 宏友著
◆◆◆詩人「浪 宏友」の作詞集のご紹介です。◆◆◆ Next Page >>

 浪 宏友作詞集 「母さんの日々」 −作曲:平井哲三郎−

お母さん お母さん
わがままばかりの私に
優しい顔を曇らせながら
黙って支度をしてくれた
思えば 思えば 懐かしい
お母さん お母さん ありがとう

お母さん お母さん
はずんで帰った私と
一緒に胸を弾ませながら
嬉しい話を聞いてくれた
思えば 思えば 懐かしい
お母さん お母さん 笑い顔

お母さん お母さん
ぷんぷんしている私に
ぽんぽんおこごと投げつけながら
心配そうに覗いてくれた
思えば 思えば 懐かしい
お母さん お母さん ごめんなさい

お母さん お母さん
悩んでしょげてる私に
おやつを用意してくれながら
静かに訳を尋ねてくれた
思えば 思えば 懐かしい
お母さん お母さん あの匂い

お母さん お母さん
大人になってる私を
それでもずっと気にかけながら
今でも側にいるのでしょうね
思えば 思えば 懐かしい
お母さん お母さん いつまでも

    (1999年)

 浪 宏友作詞集 「霧の道」 −作曲:平井哲三郎−

この霧の向こうに あなたが居る
私の知らない里にたたずんで
ずっと待ちわびているという
哀しげな呼び声に導かれて
はるばる訪ねて来たけれど
あなたの姿は どこにも見えない

はるかな街を捨てて 私は来た
あなたを信じてひとり訪ねて来た
誰も教えてくれない道
哀しげな呼び声を頼りにして
はるばる歩いて来たけれど
あなたはどこに 居るのだろう

この霧の向こうに あなたが居る
霧に閉ざされた奥のほうから
森が湖が浮かび上がる
哀しげな呼び声に急がされて
霧の海をさまよっているけれど
あなたは本当に居るのだろうか

    (1999年)

 浪 宏友作詞集 「愛の道」 −作曲:平井哲三郎−

降りしきる雨の道を行く
傘もなく 体を寄せて
ぬかるみに足を取られながら行く
冷たくて 重たくて 息たえだえだけれど
なにひとつ辛くないのは
ふたりして ひとすじに歩いているから

始めて歩く道を行く
泥にまみれて 体を寄せて
横なぐりの風にさらされながら行く
日が暮れて 明かりもなく 休むところもないけれど
幸せにつつまれるのは
ふたりして ひとすじに歩いているから

どこまでも遠い道を行く
手を握り 体を寄せて
追いすがる過去を振り捨てて行く
疲れ果てて 声も絶えて すべて失ったけれど
身も心も満たされるのは
ふたりして ひとすじに歩いているから

    (1999年)

 浪 宏友作詞集 「夜明け」 −作曲:平井哲三郎−

暗い夜しか知らなかった私に
突然 夜が明け始めたから
私は 驚き 身を縮め
どうしたらいいのかわからなくなった
深い闇ばかりに閉ざされていたから
まぶしい光に何にも見えなくなった

ひとりぼっちのはずだった私に
突然 あなたが声を掛けたから
私は 驚き 後ずさりして
恐れおののいて立ち尽くしてしまった
孤独な毎日に慣れてしまっていたから
あなたがどうしても信じられなかった

朝日を浴びて立ち上がった私を
やさしく あなたが支えてくれた
私は ようやく 安心して
あなたを振り向き心から微笑んだ
これからはあなたの愛にあたためられながら
幸せが両手いっぱいに生まれてくる

    (1999年)

 浪 宏友作詞集 「夢を求めて」 −作曲:平井哲三郎−

ぼくは きみが 大好きだよ
走って 跳ねて 振り向いて
大きな声で 手を振って
そんなきみが 大好きだよ
だから きみと行こうよ
どこまでも どこまでも 行こうよ
きみとぼくとの夢を求めて
ふたりで行こうよ

ぼくは きみと 一緒だよ
笑って 泣いて 怒っても
大きな声で 叫んでも
そんなきみと 一緒だよ
だから きみと行こうよ
どこまでも どこまでも 行こうよ
きみとぼくとの夢を求めて
ふたりで行こうよ

ぼくは きみと 生きてゆくよ
悲しく 苦しく 辛くても
苦しい日々が 続いても
ぼくはきみと 生きてくよ
だから きみと行こうよ
どこまでも どこまでも 行こうよ
ふたりひとつの夢を求めて
生きて行こうよ

    (1999年)

 浪 宏友作詞集 「青春」 −作曲:平井哲三郎−

緑の山に 鳥歌い
清き流れに 魚のかげ
広がる空に 雲流れ
わがゆく道に 君ありき

歩めばゆかし 人の世は
巡りて君に 出会うなり
交わす心に 芽生えるは
二人ひとつの のぞみなり

呼べばこたえる 嬉しさに
力みなぎる わがこころ
ゆくてを閉ざす 黒雲も
熱き思いに 道ひらく

ああ わが春は 伸びやかに
怒涛の夏は 堂々と
星降る秋は 涼やかに
雪積む冬は 和やかに

    (1999年)

 浪 宏友作詞集 「工場帰り」 −作曲:平井哲三郎−

油まみれのぼくの顔を
笑ってきみは はずんで駆けてった
機械の音に掻き消されて
怒鳴った声は聞こえなかったけど
こみ上げてくる熱い心は
工場の屋根を突き抜け広がった

仕事帰りの川の夕暮れ
笑ってきみは はずんで駆けてくる
工場の向こうに赤い夕日
並んで歩く堤の細い道
ふたりをつつむ熱い心は
静かな川面に光るさざ波

ふたりで描いた夢の世界
笑ってきみは はずんで駆けてゆく
ぼくも一緒に駆けてく街に
ともる明かりは愛のきらめき
夜空に届く熱い心は
いつかふたりの幸せをつむぐ

    (1999年)

 浪 宏友作詞集 「さようならは言わないで」 −作曲:平井哲三郎−

いつも歩いた並木道
ぼくたちの心がかよう
今日は遠くへ旅立つけれど
忘れることは決してないだろう
さようならは言わないで
笑って手を振って
いつかまた会うその日を
眼と眼で誓う

ありがとう街の通り
ぼくたちを育ててくれた
今日までのたくさんの日々が
未来のためにうなずいている
さようならは言わないで
黙って振り返る
いつかまた帰るその日を
胸に信じながら

明日は見知らぬ街を歩く
新しい日々が生まれる
ぼくたちを包んでくれた
古い街は名残惜しいけれど
さようならは言わないで
一人で駆けてゆく
いつかまた思い出の
ここに立つだろう

    (1999年)