詩誌「詩人散歩」(平成23年冬号)
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 編集後記

    【表紙の話】

◇新宿のホテルをチェックアウトした私は、新宿駅に向かって歩いた。私のいわゆる青春時代には、この町をよく歩いたものだった。もう半世紀も前のことである。当時とはすっかり様変わりした町だけれども、やはりどこか懐かしさが 漂っている。
◇この町は忙しい。人も車も、ひっきりなしに動いている。それだけではない。町そのものがひっきりなしに動いている。
◇この町を歩けば必ずビル工事に出会う。工事が途絶えたことがない。古いビルが解体される。新しいビルが立ち上がる。目印にしていたビルが無くなっていて、戸惑うこともしばしばである。
◇そんな中に、いつまでも同じところに、同じたたずまいで建っているものもある。そんな建物を見つけると、ああ、まだあったんだと、驚きながら懐かしさをかきたてられる。
◇出勤時間の横断歩道を人が渡っている。表紙写真はそのひとこまである。いかにも一列に並んでいるようにみえるけれども、一人一人が、思い思いに渡っているのである。別々のところから来て、たまたま同じ時に、同じ横断歩道を渡り始め、渡り終えるとまた別々のところへ行く。
◇人は出会い、人は別れる。私たちの人生には、このような出会い、このような別れが、満ちているのかもしれない。 (浪)

    【本号投稿者】

櫛田 令子(東京都杉並区)
織田 信雄(兵庫県神戸市北区)
山本 恵子(東京都新島村)
大戸 恭子(東京都杉並区高円寺北)
伊藤 一路(東京都豊島区西池袋)
山本ルイ子(東京都豊島区西池袋)
中原 道代(長野県長野市中御所)

    【奥 付】

平成23年12月1日発行(通算第91号)
 編集者・浪 宏友
 発行者・菊地良輔
 発行所・夕焼けクラブ

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