【表紙の話】
◇私のオフィスの窓辺に春山茶花が植わっている。椿や山茶花は冬の花だと思っていたのだけれど、四月になってから咲く春山茶花があったのである。毎年、四月の下旬に咲き始め、ゴールデンウィーク頃に満開になる。
◇今年は少し様子が違う。四月に入って、桜はいつもより二週間ぐらい早く咲いた。調子を合わせるように、春山茶花も二週間ぐらい早く咲き始めた。満開も当然早くなり、例年ならようやく咲き始めるころに満開を迎えた。
◇今年の長野の気候は面白い。一向に本格的な春にならない。暖かくなり始めたかなと思うとすぐに寒くなる。四月になってもずっと冬が続いていて、ときどき春が顔を出す。そんな気候である。それなのに、桜や春山茶花の花はいつもより早い。なにが、どうなっているのか分からない。
◇四月二十日。長野マラソンが行われる日。朝、カーテンを開けて驚いた。雪が降っている。私が長野に住むようになってから一番遅い雪である。ニュースを聞いていたら、気象台が観測を始めてから一番遅い雪だという。雪は午前十時頃まで降り続きかなり積もった。
◇オフィスに入って春山茶花を窓越しに見ると、赤い花が雪まみれである。こんな光景は、まず見ることができない。いつもの年なら四月二十日はやっと咲き始める頃だ。こんなに遅い雪も珍しい。
◇慌ててデジタルカメラを向けてシャッターを切った。その一枚を表紙にさせていただいた。駄作だが、私には貴重な一枚である。
(浪)
【本号投稿者】
櫛田 令子(東京都杉並区)
丸山 全友(香川県木田郡三木町)
大戸 恭子(東京都杉並区)
山本 恵子(東京都新島村)
山本ルイ子(東京都豊島区)
中原 道代(長野県長野市)
【奥 付】
平成25年6月1日発行(通算第97号)
編集者・浪 宏友
発行者・菊地良輔
発行所・夕焼けクラブ
詩人散歩編集部
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