詩誌「詩人散歩」(平成28年春号)
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 編集後記

    【表紙の話】

 裾花川の下流。犀川との合流点までまもなくというあたり。北から南へ流れる川の東側。堤と流れの間にあるコンクリート造りの歩道。昼下がりに私がウォーキングをするコースの一つです。こんなに狭い、1キロメートル少しの、しかも人の手が加わっている河岸が、意外にも豊かな自然に満ち溢れていることに驚かされます。
 土地の方々には見慣れたものばかりなのでしょうが、東京から移り住んできた私には、珍しいものが次々に現われる道筋です。
 2015年3月30日。この日も昼食後にこのコースを歩いていますと、見慣れない蝶々がたくさん舞っています。どれも同じ蝶々です。止まっている時は、閉じた翅が黒く見えます。舞っている蝶々を見ると、翅の表に大胆なデザインが見えます。大きな丸い眼玉のような模様です。
 コンパクトカメラを向けましたが、蝶々はじっとしてくれません。さんざん追いかけまわして、やっと撮影できたのが表紙の写真です。コンクリートの歩道の真ん中に止まって、翅を広げてくれたところです。
 帰宅して調べてみましたら、クジャクチョウという名がついていました。なるほど、大きな丸い模様が、孔雀の羽の模様に似ているからなのだと思いました。表紙写真では分かりづらいのですが、4枚の翅のそれぞれに一つずつ大きな丸い模様があります。
 タテハチョウの仲間ということで、本州の真ん中あたりから北海道にかけて生息しているとか。長野市あたりも生息域に入るということでしょうか。
 それっきり、この蝶々のすがたを見ていません。一体、この蝶々はどこから来たのでしょう。普段はどこにいるのでしょう。あの日は、なんであそこに集まっていたのでしょう。いささか不思議な経験でした。(浪 宏友)

    【本号投稿者】

伊藤 一路(東京都豊島区)
山本ルイ子(東京都豊島区)
大戸 恭子(東京都杉並区)
大場  惑(東京都杉並区)
中原 道代(長野県長野市)

    【奥 付】

詩誌「詩人散歩」平成28年春号
平成28年3月1日発行(通算第108号)
編集者 浪 宏友
発行者 菊地良輔
発行所 夕焼けクラブ
 詩人散歩編集部
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