【表紙の話】
◇ある日、東京上野の公園を歩いていましたら、時計塔がありました。そこに立つ母子の像の迫力に、思わずカメラを向けて撮影しました。台座に、大きな字で「時忘れじの塔」とありました。この写真を、本誌の表紙にさせていただきました。
◇東京上野で忘れてはならない時とは、一度に大勢の人々が亡くなった二つの時を指しているようです。その一つは、大正12年(1923年)9月1日に発生した関東大震災で、死者・行方不明者が約10万人でした。二つ目は、昭和20年(1945年)3月10日に米軍によって行なわれた東京大空襲で死者が約10万人でした。
◇「時忘れじの塔」が建立されたのは、平成17年(2005年)3月9日で建立者は、海老名香葉子さんと有志一同となっています。昭和8年(1993年)生まれの海老名香葉子さんは、東京大空襲で、家族6人を失ったそうです。その思いがこの塔を建てさせたのでありましょう。
◇デザインは有原誠司氏、彫刻は本多正直氏ですが、塔の真ん中に、2人の子供を抱えながらしっかりと立つ母親は、海老名香葉子さん自身にちがいありますまい。
◇海老名香葉子さんは、「どうもすみません」で一世を風靡した落語家、初代林家三平さんの奥さんです。(浪)
【本号投稿者】
伊藤 一路(東京都豊島区)
大戸 恭子(東京都杉並区)
中原 道代(長野県長野市)
大場 惑(東京都杉並区)
【奥 付】
詩誌「詩人散歩」令和7年秋号
令和7年9月1日発行(通算第146号)
発行者 菊地良輔
発行所 夕焼けクラブ
ホームページ http://yuyake-club.sakura.jp/
編集者 浪 宏友
詩人散歩編集部
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